閑散期の野辺山で起こった奇妙な事件
あれは、今から1年半くらい前のことでしょうか。
11月下旬のとある金曜日、どういう経緯でその情報にたどり着いたのかは覚えていませんが、ネットで日本三大星空というものを見つけました。
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日本三大星空
- 沖縄県石垣市
- 岡山県井原市美星町
- 長野県南牧村
の三か所が、日本三大星空と呼ばれ、素晴らしい夜空が見られるそうです。
変にロマンチストなところがあった私は、「きれいな星空が観たいなぁ」と思い、急遽星空を観に行くことにしました。
沖縄と岡山は自宅から遠かったので、鈍行を乗り継いで行ける、長野の南牧村に行くことにしました。
晴れていれば、こんな感じの星空が見られます。
ちなみに、携帯で日本三大星空を見たのが16時くらいでしたが、17時には荷物をまとめて家を出ていました。
こういう極端なところホント良くないですよね。
そして鈍行を乗り継ぎ5時間くらいして、やっと目的地である南牧村の野辺山駅に着きました。
野辺山駅は、長野県の南部に位置していて、お隣の清里駅は山梨県です。
野辺山駅は、観光地の駅でこんな感じの外観です。夏休みや、スキーシーズンだともっと人で賑わっていると思うのですが、私が行ったのは11月で、スキーシーズンにはまだ早い、いわゆる閑散期でした。
金曜の夜10時過ぎに、駅につくと駅前は真っ暗で、私のほかに人はいませんでした。
野辺山は既に、10センチくらい雪が積もっていて、粉雪も舞っていました。
せっかく星を見に来たのに、あいにくの空模様でがっかりしました。
仕方ないので、翌日の天気に掛けます。
とりあえず、予備知識も全くなかったので、駅周辺を歩いて探索しました。
閑散期なので、どの宿も営業しておらず、ゴーストタウンのような感じでした。
しばらく歩くと、見慣れた7と書かれたコンビニを発見したので、少し安心しました。
夜ご飯を食べていなかったので、適当に何か買おうとおもったのですが、さすが閑散期の観光地にあるコンビニ、
ポテトや唐揚げなどのスナック類はおろか、お弁当やパンやおにぎりもありませんでした。棚がすっかすかで。
「震災直後か!」とツッコミをいれそうになりました。
しょうがないので、携帯食的なものを買って店を出ました。
探索を終え、駅に戻りました。
もともと家から寝袋を持ってきていて、野宿する予定だったのですが、
この駅の奥の方に、多目的トイレがあり、そこが結構キレイだったので、どうせ誰も来ないだろうということで、そこの中で寝袋を敷いて一晩過ごす事にしました。
このイメージ画像よりももっと綺麗でした。
センサーで人の動きを検知して、明かりや暖房がついたりしてかなりハイテクだったので、もはや住めるやん。みたいな感じでした。
そして、寝袋に包まりながら読書とかをしていましたが、だんだんウトウトしてきて、いつの間にか眠ってしまいました。
それから何時間かして、ふと目が覚めました。
正確には覚えていませんが、朝の4~5時くらいだったような気がします。
「ゴーン、ゴォーン、ガガガガ」
「ゴーン、ゴォーン、ガガガガ」
「ゴーン、ゴォーン、ガガガガ」
のような、音のせいで、目が覚めてしまいました。
ですが、その時は「こんな朝早くから工場でも操業してるのかーすごいなー」くらいにしか思わず、再び眠ってしまいました。
そして、朝になって、夜空を見るまで暇なので、山を登って温泉に入ることにしました。
野辺山駅に、観光客への案内人のおじいちゃんが来ていたので、私はさっそく
「赤岳に登りたいんですけど、どうやって行けばいいですか?」
と聞きました。
赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰で、長野県茅野市、南佐久郡南牧村、山梨北巨摩郡大泉村(現・北杜市)との境に位置している。山頂は赤岳頂上山荘のある北峰と、一等三角点がある南峰とに、わずかな距離をおいて分かれている。その山容は南麓の長坂方面から仰ぐと、ヨーロッパ・アルプスのアイガーに似て、勇壮そのものである。
登山経験もなく、上下ジャージとスニーカーで、雪が積もった赤岳を登ろうなんて、今考えると自殺行為でしかないのですが、当時の私は真剣に登ろうと思っていました。
当然、おじいちゃんは「そんな恰好で、赤岳に登るのは危険すぎる!」と私を止めてくれました。
ですが、私も山を登りたかったので、おじいちゃんと揉めました。
すると、おじいちゃんは
「そんなに、登りたいなら隣の清里に行って、登って来い!」と言いました。
なにかというと、清里からだと、赤岳ほど高くない、山への登山道があるからだそうです。
おじいちゃんの助言を受け、清里へ向かいました。
駅に着くと、閑散期で人が少ないにも関わらず、警察官が5人くらいいました。
「なんかあったのかなー」とは思いましたが、そんなに気にせず、私は一人山へ向かいました。
山を登っていったのですが、スニーカーなので雪で滑って、めっちゃ怖い。しかも午後から天気が大荒れの予定らしく登山者が0っていうのが恐怖を倍増させました。結局1時間くらい登って、断念し、下山して温泉に浸かることにしました。
温泉に浸かった後は、天気も悪かったので、星空は諦め、鈍行にのって自宅に帰ったのでした。
これで、私の野辺山で野宿した話は終わりなのですが、実はまだこの話には続きがあります。
私は金曜の夜に出発し、土曜の夜に帰ってきました。
そして、日曜の朝に起きてなにげなく見たニュースに流れてきたのがこちらです。
長野県南牧村の畑から男性遺体:報道記事まとめ - NAVER まとめ
27日午前9時55分ごろ、長野県南牧村野辺山の畑に「人の脚のようなものがある」と、畑の所有者の男性から110番があった。県警佐久署などによると、見つかったのは、つま先から膝上までの部分。男性が重機で土を掘り返す作業をしていた際に発見した。同署は死体遺棄事件とみて捜査し、身元の確認を進めるとともに体の他の部分が埋められている可能性もあるとみて付近を調べている。
警察によりますと、27日午前10時前、南牧村の畑で、畑の所有者が重機を使って土を掘り起こしたところ、人の足を見つけて警察に通報しました。畑の中に埋まった状態だったことから、警察が夜に掘り進め、深さ数十センチの場所で成人とみられる男性の遺体を見つけました。男性はジャンパーとジーパンのようなもの、そして、靴下を身に着けていて、靴は履いていませんでした。財布やかばんなどの所持品は見つかっていません。警察は死体遺棄事件として身元の確認を急いでいます。
遺体が見つかったのは、「日本一標高の高い地点にある駅」として知られる、JR小海線野辺山駅から南に約2キロの畑が広がる地域。
一方、発見の約1時間半前の同日午前8時25分頃、南に約2キロ離れた同村平沢の村道右脇の空き地で、乗用車が全焼した状態で見つかった。佐久署員が駆けつけたのは、燃えた直後だったとみられる。ナンバープレートは付いていなかったが、盗難届などは出ていないといい、県警が、人の足が見つかった事件との関連を調べている。
このニュースを見たとき、早朝に聞いた、
「ゴーン、ゴォーン、ガガガガ」
という音は重機を動かす音だったのではないのか?
そもそもあんな早朝に工場が操業するわけないよな。
清里にいた警察官もそういうことだったのか。
と、昨日体験したことが、点と線で結ばれるような感覚になりました。
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ただ、遺体の埋葬現場は、私がいた駅からは、2kmと少し離れているので、私が聞いた音は、重機が現場に移動する際中の音だったのかもしれませんし、本当に工場の音だったのかもしれません。真相は闇の中です。
ですが、皆さん安心してください。
最近、やっと犯人が逮捕されたらしいので、事件は終結に向かっているらしいです。
なんだかんだ、ありましたが、やはり旅をすると色々な刺激が得られるなって思います。
自分が成長できる色々な経験ができます。
ただ、このような体験をした自分から言える事は、
旅行するときは、野宿は止めたほうがいいという事です。
閑散期でもちゃんとホテルを予約するようにしておきましょう。
そうすれば、事故などに巻き込まれるリスクも減らせます。
まぁ、普通はしないですよね(笑)